温泉は大好きだけど、寒いのはきらいです。くまんこです。「最初にはっきりいいます。ぼろ家は相続放棄のほうが費用がかかり、解決もできない場合があります!!僕は遺産分割協議してから売却し解決しました!」
だれでも負の遺産の相続なんて冗談じゃないですよね?
「でも相続放棄すればいいだけでしょ?お金もかかりそうだし自分でできないかな?」そんな認識でいませんか?
「親の葬儀やらいろんな手続きで、もうどうしていいか分からない!!」そんな状況ではないですか?
僕もそうでした。逃げ出したくなりました。しかし手続きせずにいたり間違った認識でいると、とりかえしのつかないことになります!
なんとか解決できた僕の事例から、なぜ相続放棄ではなく遺産分割協議、売却にて解決となったのか説明します。
目次
1 ぼろ家、空きやの相続問題自分だけで解決できる?
2 専門家はどうやって選んだの?相談費用は?
3 相続放棄してしまえば簡単て本当なの?
4 くまんこが解決できた方法とは?
まとめ
1 ぼろ家、空きやの相続問題自分だけで解決できる?
最初にはっきりいいます
少しでも早く相続問題に特化している専門家(弁護士または司法書士)に相談することをおすすめします!
なぜならぼろ家を相続放棄するとなると他にも処理しなければならない問題に対応しているうちに「相続放棄手続きの期限の3ヶ月」を過ぎてしまう恐れがあるからです。
また、当然自分の仕事もあるため最悪過労で心身を病み仕事や家庭が崩壊しかねません。
僕に発生した問題は
父がぼろ家のローンを500万円残した状態で膀胱癌で亡くなった。固定資産税等の100万円近い未納も発覚
父の入退院手続きと葬儀、父が在宅介護していた要介護4の母の緊急避難場所(ショートステイ)への対応等で、同時に相続問題に対応することが時間的余裕から不可能
僕の家が両親のぼろ家から遠方であり交通費と移動時間も問題となった
両親と疎遠であった為、実印等貴重品がどこにあるのか分からない
両親に消費者金融の借金や税金の滞納等があり、件数も多く調査が必要な状態
僕の兄弟は10年以上行方不明、他の親族も疎遠。協力が期待できない(僕は次男です)
まさしくゴミ屋敷であり売却するにもゴミの処分等が必要。また築30年だが痛みが激しく、売却が難しい状態
両親が飼っていた老犬の対応を迫られた
僕自身もストレスと疲労で身体を壊し短期間だが入院が必要となった
その他も細かい問題が山積み・・・
ドラマ?漫画?脚色してない?いいえ。現実だったんです。
この状況で相続問題の手続きを自分だけで3ヶ月以内に処理することは僕には不可能でした。このブログに訪れた方は同じような状況の方もいるのではないでしょうか?内容を読んでいて背筋が寒くなった人もいるかもしれませんがこれが僕のケースの現実です。
よほど相続問題に詳しいか相続問題を一度処理したことのある方でないなら、親が老いていて古い家やマンションを所有している場合早めに弁護士や司法書士に相談しておくことを強くおすすめします。
2 専門家はどうやって選んだの?相談費用は?
「僕は知り合いの紹介で司法書士に依頼しました。初回の相談費用は無料でした。」
費用の不安(法外な請求をされないだろうか)がまず僕はありましたが両親の近所のかたの紹介で司法書士に相談しました。初回の相談は無料でした。(初回の相談は無料としているところがほとんどのようです)
この先生は紹介してくれたかたの相続問題も解決してくれたかたで、不動産会社の相談役もされていてぼろ家問題解決の実績があることもあり依頼しました。正直藁にもすがるおもいでした。
専門家の選びかたは信用できる身内や知り合いからの紹介や、職場がお世話になっている弁護士を紹介してもらうなど安心して相談できる専門家に依頼することがよいでしょう。また相続問題の解決に実績のある先生に相談することが重要です。(特にぼろ家問題は重要となります)紹介してもらった先生が相続問題を得意としていないなら相続問題に強い先生を紹介してもらうのも良いでしょう。
ここで最も注意しなければならないことは、相続放棄のリスクをしっかりと説明してくれる先生かどうかです!この後説明します。
ちなみに僕の依頼した先生によると、ぼろ家の相続問題は専門性の高い弁護士か司法書士でないと解決が難しい事例が多いそうです。
3 相続放棄してしまえば簡単て本当なの?
「要注意!相続放棄のほうが費用がかかるうえに解決もできない場合があります!!」
正直僕もぼろ家問題は以前から不安でしたが世間でなんの根拠もなくいわれている相続放棄すれば大丈夫、という認識をもっていました。
インターネットで相続放棄と検索すれば情報は溢れていますが、僕の場合相続放棄のリスクを深く掘り下げているサイトにたどり着きませんでした。(わかりやすく説明されているサイトが少なかった)
繰り返します、相続放棄のほうが費用がかかるうえに解決できない場合があります!
専門家に相談するとこのことは詳しく説明してくれますが、ハッキリいって専門用語が多すぎて理解するのが難しかったです。なので簡単ですが僕が相続放棄していた場合はどうなるか説明します。
僕が相続放棄し、他の兄弟や親族も全員相続を放棄すると相続人がだれもいなくなります。
それによりぼろ家は倒壊や放火の恐れもある危険な状態のままでそこに建ち続けます。
すると管轄の行政から危険なので改修、または解体しなさいとの指導が僕や兄弟達に届くとします。しかし、相続放棄したんだから関係ないと僕たちは主張します。
すると相続放棄しても相続人に管理義務は残っている、と行政より通告されます。
ならばぼろ家を売却して問題を解決しようとしても、相続放棄しているので売却もできません。相続放棄は一度申請したら取り消すことはできません。管理義務のもとぼろ家を管理し続けていくこととなります。
そんなばかな!じゃあ管理義務から逃れるためにはどうすれば!?
家庭裁判所に相続財産管理人(僕や親族のかわりに相続財産の調査や管理を行う人)の選定を申し立て、この際予納金を払うことになります。(予納金とは相続財産管理人に支払う経費費や報酬のことです。都市部、またぼろ家の場合100万円から数百万円かかるのがほとんどとのことです)また、管理義務は相続財産管理人が選定されるまでの間も発生します。(これもぼろ家の場合数年単位で選定されるのを待つしかないケースが多いそうです。ぼろ家の売却はむずかい為相続財産管理人が選定されないケースもあるそうです。)
結果どうなるの?
a 運良く相続財産管理人が選定されるが100~最悪300万円近く予納金を支払う。しかし相続財産管理人でも完全に解決できない恐れがあり(処分が困難な土地等)この場合、解決されるまで相続財産管理人に報酬を払い続けることになる。
b 相続財産管理人が選定されず、ぼろ家を管理し続けることとなる。(固定資産税、改修費用、解体費用等)
最悪の場合を想定したものですが恐ろしい結末となります
解決できる保証がないのに費用がかかる、または相続財産管理人すら選定されず、途方にくれて生きていくことに。どこにも救いがありません。
4 くまんこが解決できた方法は?
「僕は遺産分割協議してから売却し解決しました!」
僕のケースは相続財産管理人が選任されない可能性がある、また予納金も100万円は軽く超えてしまうことが予想されました。
なので相続放棄はせず、なんとかぼろ家を売却できるよう先生が動いてくれました。
まず、行方不明の兄弟を先生に捜索してもらい母と兄弟3人での遺産分割協議(相続人全員で遺産の分け方について話し合い合意すること。僕の場合は母と僕と兄弟たちが相続人。)としました。
遺産分割協議書をまとめたのち、すみやかにぼろ家を処分するために僕ひとりがぼろ家の権利等を相続することにし、リノベーションして賃貸にしたいという会社に売却することができました。
ぼろ家の売却価格は120万円です。しかし父の固定資産税未払い費、売却するための測量費、家財処分費等の支払いでぼろ家を売却したお金は手元にまったく残りませんでした。
最終的に僕の負担した金額は先生の報酬も含めて約60万です。これが僕の場合の解決方法です。ここまでしないとぼろ家と完全に縁をきることができないのが現実です。(父に税金の未納等がなく、ゴミ屋敷でなければ僕の負担するお金はなかったかもしれません)
上記の最悪のケース(100~300万円近くの費用を支払ったうえに解決できない、もしくは管理し続ける)と比較すると、約60万円で多くの問題をかかえたぼろ家と縁をきることができたのはくやしいですが不幸中の幸いでした。これにより僕と妻はぼろ家から解放されました。
ちなみに弟は少額ですが一部費用を負担しましたが、兄からの費用面の協力はありませんでした。
先生のコメントです
「相続制度は世襲での相続で解決でき、親に財産があった時代につくられたものだから問題が多い制度なんです。それに相続財産管理人はほとんど報酬とならずただ働きのような実情もあり、正直やりたがる専門家はいないんです。私も何件か受け持っていますが大変ですよ」と僕が依頼した先生はため息まじりに話してくれました。
また、報酬が発生しにくいことから専門家もこの問題に力をいれていないこともあるそうです。
この制度、このままで良いとおもいますか?僕は全くおもいません!!いまのままでは、ぼろ家等、負の遺産問題に直面した人が生きる希望や最悪命まで失いかねないのではないでしょうか?
まとめ
1 少しでも早く相続問題に特化している専門家(弁護士または司法書士)に相談する。
2 相談する専門家は信用できる身内や知り合いからの紹介や、職場がお世話になっている弁護士を紹介してもらうなど安心して相談できる専門家に依頼する。また相続問題の解決に実績のある先生に相談する。(不動産にも特化した専門家ならなお良い)
3 ぼろ家は相続放棄のほうが費用がかかり、解決もできない場合がある。相続放棄だけが手段ではないので、各制度のメリットとデメリットについて専門家とよく相談する。
ぼろ家の相続放棄が簡単ではないことがなんとなくわかっていただけたでしょうか?なんとかなるだろうという甘い認識では危険です。また、記事を読んでいて感じた方もいるとおもいますが、ぼろ家相続となった相続人への救済制度などありません。僕は専門家としっかりタッグを組み解決するしか道はありませんでした。
親なんだから最後まで面倒みるのが当たり前、育った家でしょ?最後は責任もって当たり前でしょ?
そんな認識がまだまだこの国には強く残っています。行政も 医療も 福祉も 家族に当たり前のように責任や自分たちの価値観を押しつけてきます。
貧しく育ち、親と縁を切りたいのにきることはできず、貧困の連鎖から逃れるため歯を食いしばりながら相続問題に直面しているかたは実際多いのではないでしょうか?しかし残念ながら現在の制度では救済はないのが現実です。
このブログが少しでも、相続問題で疲れ果て途方にくれている多くの人への支援となれば本当に、本当にうれしいです!!
超高齢化社会の日本の相続制度が相続人を救済できる制度へ改善されるためには、まず体験者の多くの声が必要だとおもいます!
僕が体験したぼろ家相続問題、まだまだ書きたい記事がありこれからも続けます
では!くまんこでした!!