僕と妻は老犬、引き取りました。
皆さんの親はペットを飼っていますか?
ペットより先に飼い主の親がなくなったらどうしますか?
いろいろ買ったりしなきゃだめでしょ?
老犬って飼うの大変でしょ?
老犬なんてかわいくないんじゃない?
いまの時代親が負の遺産を残すことが問題となっています。
ぼろ家や借金だけでなく残されたペットをどうするのか?さまざまな記事が取り上げられています。
ペット自身に罪はないのに、無計画な飼い主に飼われたために悲惨な末路をむかえるペットも多いのが現実のようです。
僕と妻がやむを得ず引き取らねばならなかった事情、それでも引き取って良かったことなどを実体験からお伝えします。
目次
1 なぜ老犬を引き取ることになったのか?
2 最初に準備したもの
3 老犬って飼うの大変なの?
4 老犬なんてかわいくない?
まとめ
1 なぜ老犬をひきとることになったのか?
飼っていた父親が、癌で亡くなったからです。
父は癌発見から約4ヶ月で亡くなりました。僕は遠方に住んでおり、父の入退院の手続きやぼろ家相続問題等に追われころんのことまで手が回りませんでした。
父は入退院を繰り返していましたが、最後の1ヶ月まで日常生活はなんとか自立していました。
ころんは老犬で正直いつ天に召されるかもしれないほど元気もありませんでしたが、父と最後をともにするのがころんにとって良いのでは、と僕はおもっていました。
父が再入院となるたびころんはペットホテルに預けられるという状態でしたが、僕と妻は共働き。妻は犬はにがて。
そしてひとの意見はほぼ聞かず、何もかも僕に押しつけてくる父や父の入院している病院に僕は消耗しきっている状態。
父と同居していた母の介護関係者もキーパーソンが僕しかいないため(3人兄弟の次男なのです他の兄弟は行方不明)、怒濤のごとく僕に連絡。
うちで引き取るという余裕はありませんでした。
僕が遠方なのでやむを得なかったのでしょうが、父の最後の入院時、ころんは父や母や僕の了解も得ず母の介護関係者がペットホテルにつれていきました。
ペットホテルの宿泊費用は増えていきました。父も母も金銭的余裕は全くなく、支払いは僕です。
また、緊急に母の介護を引き受けてもらっている手前もありこのことに関してのクレームは控えました。
考えたくもない選択肢でしたが、精神的にも病み1度だけ保健所に電話しました。
保健所は「可能な限り、なんとか里親を探してください。しばらく探していただかないとご相談には対応できません。」とのこと。
「あと数カ月しか生きそうもない老犬の里親になってくれるひとなんているわけないだろ!それに探している余裕が本当にないから相談したんだよ!」
通話終了後、自分の車のなかでおもわず絶叫しました。
この国はひとより犬のほうが大切にされるのか・・・途方にくれそうになりました。
知り合いにも当然引き取り手はおらず、この状態でも父、母の対応依頼の電話が鳴り続け僕はもう限界に近い精神状態でした。(もはやカミーユ状態でした。幸いバーッと光る彗星はみえませんでしたが。)
なんとか保健所を説得して引き取ってもらうしかない・・・。そんなとき妻が「保健所で処分とか、あまりにもかわいそうだよ・・・うちで引き取ってもいいよ?」
犬がにがてと言っていたのに、妻は引き取ってもいいと。
いま思い出しても胸があつくなります。妻には感謝しかありません。このとき僕は本当にボロボロでしたが、妻に救われました。
そしてころんはわが家の一員となりました。
2 最初に準備したもの
「ご飯 ケージ ペットシート オムツ」 は購入して、あとはうちにあるものでなんとかなりました。
ペットホテルから遠方のわが家までは僕の車で移動。車中はなんと買い物かごのなかで我慢してもらいました。
迎え入れるにあたっての購入したものは
ケージ ペットシート オムツのみでした。
ドッグフードはペットホテルの動物看護師のかたが好意で分けてくれました。(栄養バランスがしっかりしたお高いものでした。)
ケージは近所のホームセンターのペット洋品店で購入。(約1万円。)ペットシート、オムツもホームセンターで購入。
その他はご飯と水の容器は使わなくなったお皿を。ベッドには僕が使っていたクッションを。フトンはバスタオルで対応できました。
2万円はかからずに準備できました。あるもので対応できるものですね。(いまは妻が服やベッドなど、かわいいものをそろえてくれて以前より快適な生活を満喫しています。ちなみにこたつが大好きです。)
3 老犬って飼うの大変なの?
もちろん最初は本当に大変でした。
環境が変わったせいかご飯を食べなくなったり。
白内障のためほとんど目が見えておらずあちこちにぶつかったり。
目やにが酷く毎日ふいてあげねばならず。
外でトイレを済ますしつけがしてありおしっこやうんちがでそうになると鳴くのですが、僕は最初は「なんで鳴いているんだろう?」と理解してあげれずにうるさいな!とイライラしたり。
夜なかなか寝付かず、中途覚醒も多くケージに体当たりする音が深夜に鳴り響き続けたり。
老犬のためか、水を飲むと酷くむせ、もどしてしまったり。
せっかく犬がにがてな妻が引き取ることにしてくれたのに、両親の問題も全然片づいていないこともあり僕はイライラしてしまうことが多かったです。そしてそんな自分が本当に嫌になっていました。
仕事が終わっても、「うちに帰りたくない、帰ったらまた犬の世話をしなければならない、あちこちから両親の対応についての電話もあるし・・・少しでいいから静かなところで休みたい。」
ボロボロの状態の僕は最初はころんにうんざりでした。
しかし妻はいつもころんに優しく、ほとんど歩けなかったころんを散歩できるまで元気にしてくれました。これには本当にビックリしました。
数ヶ月後には看取ってあげよう。そんな状態だったころんちゃんは、今は見違えるよに元気になりました。(僕の妻はアテナです。)
最初は大変でしたが、徐々に僕も妻もころんとの付き合い方になれていき、ころんも新しい生活に少しずつなれていき大変なことは減っていきました。
4 老犬なんてかわいくない?
くやしいけど、かわいいです!!(滝沢賢治先生の指導のせいではありません。)
いまではご飯やおやつを獣のようにむさぼります。(水は相変わらずむせるし、もどすこともありますがすすんで飲んでます。)
トイレはこちらが兆候を察知して連れていけるようになったので、あまり鳴くこともなくなりました。
おしっこだとおちんちんとその周りがピンクになります。うんちは朝と昼間の大体2回、おしっこと一緒にしてくれます。がまんの限界を超えると鳴いておしえてくれます。
夜はなぜか2時に目が覚めてしまうことが多いですが、なだめるとまた寝てくれるようになりました。
老犬なので食べ物には注意しています。一度成犬用のレバ-をおやつにあげたのですがやはり老犬用のものでないと下痢するようで、大惨事になりました。
ころん自身もきずかぬままうんちを何度ももらしてしまいました。これはかわいそうなことをしました。
老犬なので散歩は走ることはなく、のったりのったりと歩くのでこちらは疲れません。
むしろゆっくりすぎて冬は寒いです。ゆっくりすぎてたまに通りすがりのひとに笑われることもありますが・・・ころんちゃんは元気です!(宅配する魔女さんより)
若い犬のように吠えたり家中走りまわったりすることはなく、昼夜ともほぼ寝ているので手がかかりません。(たまに寂しくなると鳴きます。)
口がくさいけど歯磨きガムでなんとかなってます。
これからさらに老化がすすみ、介護が必要となるかもしれませんがいまの時点ではころんちゃんとおだやかな時間を過ごせています。
老犬、かわいいです!!
(漫画とアニメにもなっている、「犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい、」にはほんとうに救われ、おもわず単行本全巻購入しました。松本ひで吉先生、ありがとうございます!)
1 高齢の親がペットを飼っている場合は、早めに今後ペットをどうするのか対策をたてておくとよい。
2 最初に用意するものはそれほど多くなく、うちにあるもので代用もなんとかできる。
3 ペットを飼うのは最初はもちろん大変。でも徐々に楽になることもある。
4 老犬実際に飼ってみるとかわいい!
まだまだ犬について知らないこと、わからないことだらけですがうちにきて良かった。と、ころんがおもってくれていたら嬉しいです。
僕も妻も、ころんちゃんがだいすきです!!
ではまた!