読者の皆様、いつも本当にありがとうございます。くまんこです。
今回はようやく入浴できた栃木 秘湯【寺の湯】をレビューします!
寺の湯は知るひとぞ知る栃木県の山奥にある、硫黄の香りと白濁のにごり湯に酔いしれることのできる、「混浴共同浴場」です。
新湯温泉共同浴場のなかでは「唯一」混浴の文化が残されている、歴史ある混浴共同浴場である秘湯、寺の湯・・・
この記事を読めば
- 栃木県 秘湯【寺の湯】には320余年の古い歴史がある。
- 【寺の湯】は「300円」で酸性硫黄泉をかけ流しで楽しめる。
- かなりひなびている【寺の湯】のお湯が抜けてしまっている場合は湯船の栓をきつく押し込む。
- 【寺の湯】は「混浴共同浴場」!混雑時の入浴にはかなりの度胸が必要な湯船の狭さ!湯浴み着着用は原則禁止だが、マナーをしっかり守れば着用はグレーゾーンとなる。
- 秘湯【寺の湯】は地元のかたが大切に守っている、新湯温泉の「混浴共同浴場」。地元のかたへの感謝の気持ちを忘れずに。
といったことが分かります。
それでは栃木県 秘湯【寺の湯】のひなび具合と「混浴の共同浴場」の利用時の注意点等、あふれる魅力をお伝えしていきます。
栃木県 秘湯【寺の湯】の歴史
【寺の湯】のある栃木県「新湯温泉郷」は、発祥より320余り続く古き歴史をもつ、那須塩原の最奥の山奥にある温泉地です。
新湯温泉は今も噴気を上げる新湯爆裂火口跡の周囲に、「4つの宿と3つの共同浴場」のある、静かでひなびた温泉地です。
新湯温泉共同浴場のひとつである【寺の湯】の歴史は、昔は円谷寺というお寺の立地していた場所が現在の寺の湯の場所とのこと。
茅葺きのお寺の本堂の向かいには寺の専用浴場があり、これが寺の湯のルーツとされています。
新湯温泉郷は塩原温泉発祥の地とされている「元湯温泉郷」に近く、元湯温泉郷が約320年余前山津波にて壊滅状態となった際に、移転して開かれた温泉場とされています。
元湯温泉 大出館のおすすめ記事はこちら
栃木温泉にごり湯墨の湯 墨色の硫黄温泉あります |kumankolog
「元湯温泉」は新湯温泉同様「にごり湯の硫黄泉」で、すべての宿に混浴の湯船が存在します。古き良き日本の温泉文化が残されている、新湯温泉同様おすすめの温泉地です。
しかし残念ながら、現在元湯温泉には共同浴場は残されていません。
新湯温泉郷では貸し切り風呂以外に混浴の湯船を持つ宿は「湯荘白樺」のみ。
【湯荘白樺】のおすすめ記事はこちら
そして新湯温泉の3つの共同浴場のうち、「混浴共同浴場」は【寺の湯】のみとなっています。(地元のかたいわく、昔は3つの新湯温泉共同湯のひとつの「むじなの湯」も混浴だったそうです。
新湯温泉共同浴場 【中の湯】おすすめ記事はこちら
寺の湯の泉質・効能・施設情報
では「寺の湯」の泉質等情報をご紹介していきます。
泉質等情報は「日本源泉かけ流し温泉協会ハンドブック」を参照しています。
泉質
酸性含む硫黄・アルミニウム・硫黄塩温泉
効能
皮膚病・水虫・火傷
入浴料金
300円 (新湯温泉の4つの宿に宿泊すると無料)
営業時間
7:00~18:00
定休日
不定休
電話
0287-32-4000 (那須塩原観光協会に繋がります)
住所
〒329-2922 栃木県那須塩原市湯本塩原28
【寺の湯】はかなり湯船が古くなっているため、お湯が抜けていることがある!
やっと寺の湯に入れる!興奮気味で湯船に向かうと・・・お湯が少なく、なみなみと張られかけ流されていません。
これでは温泉好きなら誰もが愛する、あの「ざばーっ」とした瞬間を楽しめません!
先客の栃木県在住の男性によると、「最近あまりに古すぎてガタがきててね~、お湯がどこからか抜けてるっぽいんだよ」とのこと。
たしかにあちこちガタガタです。しかし諦めずに湯口の流量を最大に開放して、しばし待ちます。
源泉がかなりの高温なので、加水しながら辛抱強く湯がたまるのをさらに待ち・・・
ようやくまずまずの湯量になりました!
お湯が抜けてしまっていた原因は、木製の栓(木の杭)をしっかり押し込んでいなかったため!
この後地元の男性方が3名ほど順に訪れ、その内のひとりの方が言うには、
「木の栓が古くなってるから、かなりしっかり力をいれて栓をしないと湯が抜けていっちゃうんだよ」と教えてくださいました。
その方が栓を力いっぱいきつく押し込んでくれてからは、幾分湯が抜けるのは収まりました。
この、コツがいる程ひなびすぎた寺の湯。僕のような状態に遭遇した場合は、諦めずに次項の方法で湯を張ってみてください。
【寺の湯】利用時の注意点
では、この「ひなびすぎている」寺の湯を利用する際の注意点をまとめてお伝えします。
- お湯がオーバーフロー(かけ流し)されていない場合は、湯船の栓(木製の杭)をしっかり押し込む。
- お湯の量が少ない場合は、湯口のキャップを外して湯量の調整を開放する。
- 源泉が高温のため、適時水道のホースで加水する。
- 適温になったら湯口のキャップで再度湯量を調整し、湯浴みを楽しむ
- 加水に使用した水道は使用後は締める。(加水したままだとお湯がゆるくなりすぎる為。次に利用されるかたへのマナーです。)
この情報を利用前に把握しておけば、寺の湯で古き良き時代の共同浴場の風情を楽しみながら湯浴みできますよ。
新湯温泉の3つの共同浴場では【中の湯】もおすすめ!
僕は新湯温泉の共同浴場で他には【中の湯】によく入浴します。
理由として
- 【中の湯】は比較的いつでも空いているため、貸し切り状態で利用できることが多い。
- 【寺の湯】は混み合っていることが多く、利用を断念せざるをえない場合があるため。
- 3つの新湯温泉共同浴場のうちのひとつ、【むじなの湯】はお湯が張られておらず休みの場合が多いため。(僕はむじなの湯とは相性が悪いのか、一度も入浴したことがありません)
となります。
【中の湯】もやはり利用にコツがいります。
湯温が熱すぎて、知らずにはいると・・・
「あっつ!!」とひとりきりでコントをすることになる恐れが。
または加水されすぎてかなりぬるくなっており、源泉の流量を開放しなければならないことも。
中の湯についても詳しく知りたいかたは、【中の湯】記事を参考ください。
関東圏内で秘湯に浸かりたい!奥塩原温泉共同浴場・中の湯をレポートします!|kumankolog
そんな新湯温泉郷の共同浴場ですが、地元の方々はもちろん僕のように遠方からも足を運ぶ硫黄温泉好きが愛する、歴史ある古き良き共同浴場です。
このひなびた温泉郷である栃木県新湯温泉では4つの宿があり、どの宿も宿泊すれば「3つの共同浴場巡りが無料」で楽しめます!
筆者新湯温泉おすすめ宿の記事は下記のふたつの記事です!
にごり湯の宿 湯荘白樺 入浴レビュー おすすめの理由 |kumankolog
奥塩原高原ホテル 入浴レビュー おすすめの理由|kumankolog
【寺の湯】は「混浴共同浴場」です!古き良き日本の文化です。が、混雑時はかなり敷居が高い!
寺の湯は温泉専門誌にも多く取り上げられている、関東の混浴秘湯のひとつです。
専門誌により知名度が高いためか、寺の湯には週末となると多くの湯浴みを楽しみにされたかたが訪れます。
平日は比較的空いていることもありますが、週末の混み合った寺の湯を利用するにはかなりの度胸が必要です!
では新湯温泉「混浴共同浴場」【寺の湯】の利用時の実際をお伝えしていきます!
脱衣場すら男女共同利用!
入り口をあけ中に入るとまず「新湯協和会」の注意書きが。
そして左右を見渡すと・・・。
「うん!?」
右側も・・・。
左側も・・・!
そうなんです。脱衣所は男女別に分かれている訳ではありません!
また脱衣場と浴場を隔てるガラス戸は、かなり年季がはいり曇って透明度が低いとはいえ・・・。
「うん!??」
そうです。浴場から丸見えに近いんです!
「混浴共同浴場」である寺の湯を利用されたいかたは、まず異性が入浴中でもこの脱衣所での更衣を行える度胸がある必要があります。
ちなみに僕は、複数の若い女性の声が入り口のドアから聞こえたため利用を辞退し、中の湯へ足を向けたことがあります・・・。
理由としては次項で詳しくお伝えしますが、混浴にしては寺の湯は浴槽が狭いからです。
混浴としては浴槽が狭め。先に入浴されているかたが居る場合、湯船内はかなりの密度となる!
先に湯浴みされていたかたがおられたため、全体の写真を収めることができませんでしたが、寺の湯には上記の大きさの湯船が二つあります。
大人ふたりが入ればかなり狭く感じ、湯船内は密になります。
この状況での混浴はかなり敷居が高いのではないでしょうか!?
筆者はこれまで混浴の温泉も入浴してきましたが、ここまで他の入浴者と密になる混浴の浴場は初めてです!
女性のかたは「湯浴み着を着用したい!」と思うでしょうが、湯浴み着用での入浴が可能かはハッキリされていません。
どうしても寺の湯の入ってみたく、湯浴み着を使用したい女性のかたのために、「那須塩原観光協会」 0287-32-4000へ湯浴み着について問い合わせてみました。
那須塩原観光協会リンク
那須塩原観光協会のかたによりますと、下記のような返答をいただきました。ご丁重なご対応ありがとうございました。
- 基本的には湯浴み着を着用したままの入浴は、衛生上の問題からNGと自治体よりいわれている。
- また、共同浴場のため地元のかたも多く利用されており、湯浴み着を不快に感じるかたが居た場合、注意され不快な思いをしてしまう恐れがある。
- はっきりOKとまでは言えないが、(原則NGのため)脱衣場で湯浴み着やタオルを巻き身を隠し、入浴後は速やかに湯浴み着やタオルを湯から上げることで対応されてはどうか。湯に入れば白濁のにごり湯であり湯で身を隠せるので、あくまで脱衣所から湯船に入るまでといった対応ならグレーゾーンである。
どうしても湯浴み着を着用されたいかた、参考になさってください。
共同浴場利用時は、地元のかたへの感謝の気持ちを忘れずに!
筆者が各地の共同浴場を利用してきた体験では、「共同浴場にはその土地ごとに独自のルールが存在していることがあります。」
清掃、湯張り、管理、窓の開け閉め、加水されたままの水道を閉める・・・。
これらは地元のかたの共同浴場を大切にする思いで行われ、大切な温泉が守られています。
入浴時のあいさつや、湯浴み着を着用した場合は一言お詫びする・・・。
こんな小さな心遣いで、地元のかたは快く迎え入れてくれると思います。
特に筆者が出会った新湯温泉の地元の方々は、本当におおらかなでやさしいかたが多く、いつも訪れるたび新湯温泉についていろいろと教えてくださいます。
300円で利用できる源泉かけながしの硫黄泉。関東都市部には存在しえない貴重な存在です。
管理されている地元のかたへの感謝の気持ちを大切にしたいものですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
栃木県 秘湯【寺の湯】はかなりひなびています。
ですがそこが秘湯ファンの心をひきつける魅力となっています。
また、「混浴共同浴場」という古き良き日本の温泉文化が残されている、貴重な温泉です。
地元の方が管理し守られているこの秘湯を、マナーを守り入浴し、いつまでも地元の方々と談笑しながら入浴できる気持ち良い温泉であるよう大切にしていきましょう。
栃木県奥塩原温泉郷 「新湯温泉」・「元湯温泉」関連記事もページ下より合せてどうぞ。
本当に静かで、筆者の大好きなおすすめの温泉地です!
是非足を運んでみてください!